信用取引の売りを用いた優待権利取りの注意点

2007年3月26日:信用取引の売りを用いた優待権利取りの注意点
今日は3月期末決算企業の株主権利確定日ですね。
今日の終わった時点で株を保有していれば、株主として株式総会への出席や配当受け取り、そして、株主優待がある企業であれば株主優待が貰えることとなる。
最近ではこの株主優待目当ての取引も盛んにありますので、注目が集まっています。
で、この株主優待を得るだけの目的の時に、信用売りを用いた取引方法がある。
と、いいますと?
自ら現物で株を買いつつ、信用売りも同時に行うことで、同価格で株を買ったと売ったの状態になる。そして、権利確定後、つまり翌日に現渡しをすることで、権利だけ得て株価変動リスクを抑えることができるわけだ。
優待権利を取りに行ったら権利確定後に急落する銘柄も多く有りますからね。
ああ、身をもって分かっているよ。
……。
ただ、まったくのノーリスクになるわけではない。ここではそのリスクを挙げていく。細かい内容はまた後日にするので、今回は簡単に。ちなみに、信用売りが元々出来ない銘柄もあるので、その時は今回の説明事態が無意味なので。
では、さっそくどうぞ。
まず、株主売買手数料がかかる点。現物買いでも信用売りでも株式の売買をするには原則手数料が掛かる。この手数料のことを考慮しておきたい。
どうすればいいのでしょうか?
より手数料の安い証券会社で売買するのが一番の方法だ。ただ、価格帯によっては安い証券会社が異なったりするので、なかなか難しい。最低でもネット専用証券で取引した方がいいだろう。
ふむ。
ここまでは普通に考えれば誰でも想像が付くだろう。
そうですね。
ただ、次の3点に関しては気がついていない人や知らない人もいるから注意しよう。
それは!?
まず、金利のような物がつく点。これは賃貸取引貸株料、略して貸株料と呼ばれるものだ。昔は無かったのだが、2002年5月7日から登場したもので、信用売りをする人でも保有期間によって余計な出費が出るということ。まあ、権利取りで信用売りする場合はそれほど高額にはならないけど、元々単価が高い銘柄や、複数枚所持することでより多くの株主優待がもらえるといった銘柄を目指す時は気にしておきたいところ。
なるほど。
次に、逆日歩というものもある。これは、市場で信用取引で信用買いをする人より信用売りをする人が多くなりすぎた時に発生するもので、これも金利のような概念と思ってもらって良いだろう。信用買いと信用売りの比率によって、より多くの逆日歩が必要となる。この逆日歩は1株に対していくら、という形で表現される。
1株1円ですと、1000株持っている人は1000円支払わなければいけないわけですね。
その通り。この額は銭単位も考慮して表示されるので、1株0.05円となれば、1000株で50円支払うことになる。注意すべき点は、1日にこれだけの費用がかかるという点。先ほどの貸株料と同じく、権利取りのためであれば日数が少ないためにそれほど大きな影響は出ないと思われるが、みんながみんな、同じように権利取りをしているため、この権利取得日は普段以上に信用売りが増えてしまう。そのため、この逆日歩も発生しやすく、また、既に逆日歩が発生している銘柄でも、より高い額になることもある。
これは盲点です。
12000円の優待取るのに32000円の逆日歩を払うようなことになったりするんだよね。
去年の大戸屋ですね。
なので、優待権利取りをするときは、その銘柄が既に逆日歩が発生している状況で無いかどうか、また、貸借取引状況で株不足が発生しそうかどうかを見極める必要がある。
以上で注意点は終わりでしょうか?
いや、最後にもう一つあるのだよ。
!?
配当金がある企業だと、配当落調整金というのが発生する。「はいとうおちちょうせいきん」と読む。配当落調整金とは、信用買いをしている人には配当分に該当する額が支払われ、逆に信用売りをしている人に対しては配当分差し引かれるんだ。今回の配当取りで使用するのは信用売りなので、その企業が配当を出すのであれば、後日配当分を支払うことになる。まあ、この辺りは証券会社が自動的にやってくれるわけだけどね。
ですが、現物で株を持っているわけですから、差し引きゼロになりませんか?
それが、配当落調整金は配当に対して93%分差し引かれるんだ。普通の配当だと所得税と地方税合わせて10%引きの90%が手取りとなるのだが、配当落調整金で引かれるのは93%。つまり3%分の損が発生する。
配当が多い企業の株主優待を狙う人は注意が必要ですね。
以上、いくつか、というか、いくつもの注意点を挙げてみた。最後に、金銭的な問題ではないが、システム上問題がある場合もある。
システムですか?
同時期に現物買いと信用売りをすると、仮装売買と思われてしまう可能性があるってこと。場合によっては証券会社から電話がかかってくるかもしれない。まあ、証券会社も分かってくれるとは思うけどね。権利取りのための売買であれば問題ないとは思うので、電話がきたらその用に説明すれば良いかと。その証券会社でダメだと言われたら、以後気をつければいいだけだし。
そうですね。
んなわけで、今日はもちろん、今後の上記のことを注意して優待権利取りをやってもらえたらと。

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2007年3月26日 09:29 | 株初心者向け

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