トムス・エンタテインメントの株主総会

2008年6月17日:トムス・エンタテインメントの株主総会
今日は6月17日に行われたトムス・エンタテインメントの株主総会の話をしよう。
あまり聞かない名前ですが、どういった会社でしょうか?
主にアニメの制作をしている会社となっている。有名なところだと「それいけ!アンパンマン」や「名探偵コナン」など。会社そのものの設立も昭和21年、つまりは1946年と、62年も運営していることとなる。ちなみに、今はセガサミーホールディングスグループの傘下にある。
歴史がありますね。
なので、過去の作品でも名前を聞けば誰もが知っているようなものも多く手掛けており。個人的にもこの会社のことはさっぱりだったけど、結構すごい会社だ。
では、株主総会の状況を具体的に見ていきましょう。
開催場所は東京都新宿区西新宿2-2-1にある京王プラザホテル南館4階「錦」。時間は14時からとなっている。
新宿のホテルということは結構いいホテルなんでしょうね。
うむ。正直、よくわからん会社がなんでここで、という疑問もあったが、やはり歴史や実績がなせる技なのだろう。
そうですね。
で、開催前には前面のモニターに歴代関与してきたアニメのオープニング映像や時折プロモーション映像が流れていた。延々と流していたのだが、当然重複する映像が出ることはない。個人的にアニメのオープニングを見るのは好きなので、これだけでも行ったかいがあったかな、と。特に、自分が知らないような古いアニメの作品に関しては、こんなのがあったのかと、新たな発見もあったし。
そして総会が始まるわけですね。
先ほども言ったように14時からスタート。この時で出席者数は70名くらいかな。ビデオによる事業報告が行われた。また、アミューズメント施設関係の事業をゲオに売却することもあり、その点の説明も口頭で行われた。この関係で、会社側からの報告は14時34分と、34分間とこの手の会社としては比較的長めとなっている。
続いて質疑応答ですね。いつもどおり、私が質問者役をやります。
回答は社長である古賀督徳が答えたほか、回答を他の役員に振ることも多かった。ただ、どれが誰だったかはいちいち書かないので、この点はあらかじめ。
一人目の質問です。アミューズメント施設の売却はいつから検討が始まったのか。アニメ部門だけでどうやってやっていくのか。
3月上旬にゲオから話が来た。ゲオとしてもレンタル以外の柱として力を入れたい模様。5月9日に基本合意、最終的に5月23日に合意し、発表。今日の株主総会で承認を得たら、10月1日に34億5千万円を受け取ることになる。アミューズメントを長くやってきたが非常に厳しい。アニメは集中投資すれば、二次利用などで大きく羽ばたける。
二人目の質問です。売上を数年で300億円にすると去年の株主総会で言っていたが今回の事業譲渡で減るんじゃないか。
数字は見直していきたい。
三人目の質問です。事業譲渡に関してもっと丁寧に説明してもらいたい。こんなショッキングなことをあっさりと説明しすぎる。経緯や判断基準などを110億円の売買ではないかとのうわさもあるが。
3年前と比べて20%利益が減った。中規模店舗は厳しい。大型店ももちろんいろいろな問題もあるだろうが。売却価格はさまざまな手法を用いて算出し、その後話し合って決定した。110億円という法外な価格は最初から出ていない。利益が4・5年前の半分になっている。将来、消費税が10%に上がるとそれだけで利益率が10%から5%に落ちる。アニメを用いたものも検討していたが、権利関係でできなかった。アニメ制作とのシナジーが出せなかった。4・5年前だと新規に出店するのに3・4億かかっていたが、その回収に2年半から3年で回収できた。しかい、今は5年から6年回収するのに時間がかかっている。投資資本の回収が延びている。最終的にアニメに特化することにした。
四人目の質問です。アニメは当たりはずれが大きいが、作品の選定を吟味し、放送形態ももっと考えるべきでは。連結にトムスミュージックが今期から入ったが、今まで何をやっていたのか、その売上は連結の何パーセントか。
作品数20タイトルは業界トップレベルと自負している。当たるという確信のもとにやっているが、今後はもっと密にやっていく。地上波はスポンサー料がネックになっている。UHF、BS、CSも視野に入れている。アニメのコアなファンもこれらのものにはいるため、ビジネスとして良い方向になるだろう。トムスミュージックは海外に2社作り、現地の印税徴収を目的に活動をしている。現時点ではそれほど利益に貢献していない。今後は権利元となって国内外に出していく。連結売上に対して1.1%、利益は0.1%。今後伸ばしていきたい。
五人目の質問です。事業譲渡に対する穴埋めをM&Aで考えていないのか、現状目処のたったM&Aの予定はあるのか。東証への上場が今回の件で遠ざかるのではと思うがどうか。
M&Aに関しては後ほど新任社長となる予定の岡村から話をする。東証に関しては、経営の中で重要なポイントとして検討していきたい。時期的なものはここでは話せない。
以上ですね。
ちなみに、5人目の質問者は3人目と同じだ。この人はショッキングという言葉を何度も使っていたのが特徴的。常にショッキングな出来事、ショッキングな出来事と言っていた。あなたの言ったショッキングの回数の方がショッキングだよ。
……。
で、質疑応答は15時10分に終了、36分間となっている。その後議案の採決があり、15時12分に一応終了。そして、お馴染みの里見劇場が始まる。
里見治セガサミーホールディングス社長ですね。
この話が15時26分まであり、ここで株主総会はいったん終了となる。開始から1時間26分。里見劇場は16分となる。
長い番組ですね。
で、その後すぐに新任役員の挨拶と、そして岡村秀樹新社長の話があった。
どういった話をされましたか?
アニメの制作会社から高機能映像エンタテインメントカンパニーになるというお話。ここで笑ったのが、川下から川下まで、とか言っていて。すぐに川上から川下に訂正したけど、川下から川下じゃ今までと変わらないじゃん、って感じで。
言い間違いですから、それはいいじゃないですか…。
ここで、株主総会中の質問にあったM&Aについて回答していた。嵩を上げるためのM&Aはせず、保管、キーファクターとなる会社を選定していくのが基本方針とのこと。あと、ここでまたショッキングおじさんが質問をしたいとのことで、質問をした。
質問番外編です。海外マーケットについて。海外の売り上げが不振だったが、どういう計画で海外に行くのか。
具体的には今後煮詰めていきたい。前期は失敗というよりかは対応が後手に回ったのが原因。日本のアニメは強くはあるが、欧米が日本のスタイルを取り入れた作品作りを行っている。動画違法サイトが今までのビジネスモデルを壊した。米国では5社から1社へディストリビューターが減った。今までとは違う日本のアニメーションを日本のマーケットを視野に入れないものも含めて展開していく。
以上ですね。
ここまでは15時43分。これでひとまず終了で、その後懇親会があったようだ。まあ、これは出ていないので、どういったのがあったかはわからないのだが、セガサミーホールディングスのことを考えると、普通に食事が用意されて食べたり、役員と会話したりできるのだろう。株主総会の参加人数が限られているため、食事面では十分食べられたんじゃない?どれくらい出したかわからないのでなんともいえないけど。
そしてお土産ですが…。
次のようになっている。結構いろいろ入っていた。

■トムス・エンタテインメント株主総会のお土産

2008年6月17日開催のトムス・エンタテインメントの株主総会のお土産。

・あんぱんまんキャラクターのパン3種
・全力ウサギ ぬいぐるみマスコット
・それいけ!アンパンマン ミニミニらくがきボード
・ルパン三世 バスタオル

合計4種類ですね。
パンは生モノなので、正直好ましくはないと思うのだが…。しかも、市販のパンと違い、密封されているわけではなく、普通のポリ袋に入っている感じだった。時期的に暑くなってきているし、湿気も多くなっているので、問題が起こる前に止めておいた方がいいかも、と思う。
そういう見方もありますね。
とかいいつつ、しっかり全部食べたけどね。
……。
以上でトムス・エンタテインメントの株主総会の話は終了。出席者はアニメ制作ということで、オタク系が多いかと思われたが、やはり歴史がある会社だからか、ご老体もかなり居り。質問した人も4人目以外は全員年を召した方だったのが、他の同種の会社と異なるところだ。アミューズメント施設譲渡があったために時間は長かったけど、普通であれば1時間もかからずに終わるんじゃないかな。今回は特殊要因有りで長引いたということで。

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2008年6月17日 23:33 | 株主総会

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